不動院のお墓じまい

まず最も重要なのは、お墓に関わる全ての親族と、お墓じまいについて十分に話し合い、同意を得ることです。お墓に対する考え方は人それぞれ異なるため、一方的に進めてしまうと、後々トラブルの原因になりかねません。また、親戚に反対されお墓じまいをあきらめた結果、将来無縁墓となり菩提寺から連絡が行き、最終的に親戚に負担を掛ける結果となることもあり得ます。お墓じまいの理由や、その後の供養方法について、時間をかけて丁寧に説明し、理解と同意を得ることが大切です。

お墓じまい後のご遺骨をどのように供養するかを事前に決めておく必要があります。供養方法によって、その後の手続きや費用が大きく変わります。選択肢としては、新しいお墓への再埋葬、納骨堂への納骨、樹木葬、散骨、手元供養などがあります。

現在お墓のある霊園や寺院の管理者に、お墓じまいをしたい旨を伝えます。菩提寺にとって、将来無縁墓となりお墓を放置されることは避けたい結果である一方、離壇して関係を絶たれることは辛いことです。特に、長年お世話になっている菩提寺の場合は、これまでの感謝の気持ちを伝え、丁寧に事情を説明することが重要です。不動院では、お墓じまい後も菩提寺との関係を続ける形で（例えば、現在の施主が存命中は檀家継続）、将来のお墓じまい先としての受け入れが可能です。

お墓じまいに必要な書類は、自治体や霊園・寺院によって異なりますが、一般的には以下のものが必要です。
埋蔵証明書（埋葬証明書）: 現在のお墓に誰が埋葬されているかを証明する書類で、墓地管理者から発行してもらいます。
受入証明書: 新しい納骨先が決まっている場合に、その管理者から発行してもらう、ご遺骨の受け入れを証明する書類です。

ご遺骨を別の場所に移すためには、現在お墓のある市区町村の役所で「改葬許可証」を取得する必要があります。新潟県内で改葬許可証を申請する際には、各自治体によって必要な書類が異なります。ここでは見附市を例にご紹介します。
見附市で改葬許可証を申請する際には、以下の書類が必要です。
改葬許可申請書: 見附市役所の市民税務課で入手できます。ホームページからもダウンロード可能です。
墓地の使用許可証: 移転先の寺院などから取得します（特定の様式はありません）。
埋葬（納骨）証明書: 現在ご遺骨が埋葬されている見附市内の寺院から発行してもらいます（申請書に証明欄がありますが、別用紙でも可）。
これらの書類を揃えて、見附市役所市民税務課市民相談係へ提出します。郵送での申請も可能ですが、返信用封筒（切手貼付、送付先明記）を同封する必要があります。手数料は無料です。
新潟県内の他の市町村における改葬許可申請については、各自治体のウェブサイトをご確認ください。例えば、三条市、燕市、長岡市などの情報も各市役所のホームページで確認できます。

墓石を撤去する前に、僧侶に「閉眼供養（へいげんくよう）」を執り行ってもらいます。これは、墓石に宿っている故人の魂を抜き取るための儀式であり、「魂抜き」とも呼ばれます。寺院墓地にお墓がある場合は、菩提寺から執り行ってもらいます。寺院墓地以外の霊園や集落墓地等にお墓があり、菩提寺が執り行うことが難しい場合は、不動院の僧侶が、心を込めて閉眼供養を執り行います。

閉眼供養後、石材店に依頼して墓石の撤去・解体工事を行います。墓地の区画を更地に戻し、管理者に返還します。石材店の選定については、複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。不動院でも、信頼できる石材店をご紹介することが可能です。

墓石の撤去後、カロート（納骨室）からご遺骨を取り出します。取り出したご遺骨は、新しい納骨先へ移動するまで、大切に保管します。

墓石の撤去とご遺骨の取り出しが完了したら、墓地の管理者に土地を返還し、お墓じまいは完了となります。